火葬したご遺骨は骨壷に入れて、そのまま先祖代々のお墓に納骨するというのが、これまでの日本における供養方法でした。
しかし、近年では、お墓の後継者不足や経済的理由により、お墓を持たない供養方法が選択肢の一つとして認知されてきました。それに伴い、ご遺骨を粉末化する粉骨を行う方も増えています。
そこで今回は、粉骨をする目的から費用相場、覚えておきたいルールやマナーなどについて、幅広く解説をしていきます。
粉骨とは
粉骨とは、火葬されたご遺骨を手作業や機械を使って細かくパウダー状にする作業のことです。
お墓を持たない供養方法を選択する際に、通常のご遺骨ではなく、粉骨されたご遺骨を使用しなければならないことがあります。
粉骨をする場合、その大きさはガイドラインにより定められており、1片の直径が2mm以下になるまでご遺骨を砕かなければなりません。
粉骨を行う目的にはさまざまなものがあります。特に、お墓を持たずに故人の供養を行いたいと考えている方にとって、粉骨はセットで行うべき作業です。
また、粉骨を行うことによってメリットだけではなく、デメリットもあることを事前に把握しておくことも大切です。
粉骨の方法
ご遺骨を粉骨する方法は、大きく2つに分かれます。
1.業者に依頼する
最近では粉骨を専門に取り扱っている業者が増えてきたので、そういった業者に依頼をするのが一般的です。
また、供養をするのに粉骨が必要となる場合、その供養先から業者を紹介してもらえるケースもあります。
いずれの場合も慌てて業者を決めるのではなく、複数の業者から見積書を提出してもらい、サービスと費用を比較検討するのが得策です。
2.自分で粉骨する
ハンマーや金槌でご遺骨を粉砕したり、乳鉢に入れてすりつぶしたりすることで、業者を頼らずに自分一人で粉骨は可能です。
しかし、人一人分のご遺骨を全て粉骨する作業は、肉体的のみならず精神的にも疲れる作業です。そのため、こだわりがないなら、業者に依頼をすることをおすすめします。
以下の記事では「自分で粉骨する方法」や「粉骨機」について解説しています。
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自分で粉骨する方法は? 手順から注意点まで解説
粉骨機とは? 作業工程や注意点について解説
粉骨の費用相場
粉骨を業者に依頼する際の費用相場は、骨壷の大きさや作業工程、オプションの追加などによって違いがあります。
例えば、3寸程度の骨壷の場合、8,000~10,000円程度が費用相場となっていますが、刃物を使用しない手作業粉骨の場合は、同じ骨壷サイズでも10,000~25,000円程まで高くなります。
以下の記事でも粉骨の料金や費用についてご紹介しています。
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粉骨の料金・費用はいくら? 世間的な相場について解説
粉骨後の供養方法
粉骨を行った後の供養方法としては、以下のようなものが挙げられます。
散骨
海や山などに粉骨したご遺骨を撒いて供養することを「散骨」と呼びます。そのなかでも、海にご遺骨を撒く海洋散骨が注目を集めています。
その理由としては、海洋には山林のように所有者がいないため、比較的簡単に行えるからだといえます。
しかし、自治体の条例により、散骨が禁止されている海洋エリアもあるため、事前に調べておく必要があります。
合祀墓での永代供養
寺院や霊園が運営する合祀墓の場合、血縁者以外の大勢の人と同じ場所に粉骨したご遺骨を撒くことで、半永久的に管理と供養をしてもらえます。
通常のお墓と違い、月々の管理料などが発生しないため、経済的な負担を減らせます。
樹木葬
シンボルとなる大きな樹木の下に、粉骨したご遺骨を埋葬します。
永代供養墓の墓石の代わりに樹木を使用することで、自然に近い形の供養をすることができます。
手元供養
ご遺骨を自宅などの手元に保管して供養する方法です。
手元供養では、自宅の一角に設けた祭壇にご遺骨や遺影を飾ります。
必ずしも粉骨が必要ではありませんが、粉骨をすることでご遺骨の容量を大幅に減らせるというメリットがあります。
また、外出先でも故人を身近に感じたいという方のなかには、ペンダントやお守りの中にご遺骨を入れて持ち歩いているという方もいます。
とこしえの粉骨サービス
ご遺族様のご希望に寄り添ったご遺骨サポートを行っている「とこしえ」では、粉骨サービスも取り扱っています。
ご遺族様が安心してご遺骨を預けていただけるように、粉骨の前後で写真を撮影し、粉骨の様子をしっかりと確認していただける粉骨証明書を発行いたします。
粉骨後の供養方法に合わせて、ご遺骨を水溶性の袋や真空パックに入れるなど、ご遺族様が使いやすい形にしてお渡しいたします。
ご遺骨の粉骨をお望みの場合は、とこしえまでお問い合わせください。