火葬後の骨上げの際に、最後に拾うのが喉仏です。喉仏はご遺骨のなかでも特に大切な部分といわれています。しかし、「なぜ大切にされるのか」と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、喉仏が大切に扱われる理由について解説します。
また、収骨時のマナーや方法についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
喉仏を大切にする理由
火葬後に収骨される喉仏は軸椎(じくつい)という骨を指し、一般的に男性の「喉仏」とは別物です。男性の喉仏は軟骨でできているため、火葬すると燃えて残りません。軸椎は背骨の上から2番目の骨を指し、女性にもあります。
喉仏が大切に扱われる理由は、その形が由来です。輪のような空洞から上方に突起がある形が、仏様が座禅をしている姿に似ているため、体に仏様が宿っていると考えられています。
軸椎にはさまざまな言い伝えがあり、火葬してもきれいなままであれば生前よく働いたことを意味するといわれています。
収骨時のマナーと方法
収骨をする際は、故人と縁の深い順にご遺骨を集めます。一般的には喪主、遺族、親族の順番です。収骨の流れは、以下のとおりです。
- 係員の指示に従って収骨室へ移動する
- 喪主がご遺骨の頭側に立ち、ほかの参列者は周囲に並ぶ
- 係員が火葬炉からご遺骨を取り出し、骨上げ台に置く
- 喪主から順番に箸を使ってご遺骨を骨壷に収める
- 骨壷に蓋をして納骨袋に入れる
収骨では、長さの違う箸を一対にした骨上げ箸を使い、二人で一つの骨を拾って骨壷に収めます。
ご遺骨は、足、腰、腹、胸、頭の順番で骨壷に収めるのがマナーです。最後に故人様と最も関係の深い喪主が喉仏を拾います。喉仏を入れたら、スタッフが骨壷を箱に入れて収骨が完了します。
喉仏の分骨とは
浄土真宗では火葬後、ご遺骨をお墓用とお供え用に分けます。その後、本山に喉仏を収めた骨壷を納骨する習わしがあります。
浄土真宗の本山は、本願寺派では西本願寺、大谷派では東本願寺でいずれも親鸞の墓です。親鸞が眠っている場所で法要を営みたいという思いから、喉仏を収めた骨壷を安置する風習が生まれたといわれています。
喉仏以外を収めた骨壷は、箱に入れて故人様のお墓に納骨します。また、本山での合祀が難しい場合は、近くの浄土真宗のお寺で合祀できる場合もあります。
喉仏について理解し、宗派や地域に合った供養を
喉仏の骨は、その形が瞑想中の仏様の姿に似ていることから古来より大切にされています。収骨の際に喪主が最後に骨壷に収めることからも、ご遺骨のなかでも特別な存在といえるでしょう。
とこしえでは、供養方法についてアドバイスやさまざまなサービスを提供しています。供養に関して不安がある方は、お気軽にご相談ください。