粉骨とは、ご遺骨を粉末状になるまで丁寧に砕くことです。近年、供養方法の多様化により「粉骨」をする場面が増えています。「大切なご遺骨を砕くなんて考えられない」と驚く方もいますが、供養することを目的に節度をもって行う粉骨に違法性はありません。
粉骨には、さまざまな供養に対応できるだけでなく、ご遺骨を湿気やカビから守る利点もあります。
今回は、ご遺骨を粉骨する目的や注意点、粉骨後の供養方法についてご紹介します。
ご遺骨を粉骨する目的
ご遺骨を粉骨する主な目的は、粉末状にすることでさまざまな供養方法に対応しやすくするためです。
お墓を持たないという新しい供養方法を検討するなかで、例えば「故人の希望で散骨したい」「一部を自宅で保管する手元供養をしたい」と考える家族が増加しています。また、遠方に住む親族が、それぞれの自宅での供養を希望するケースもあるでしょう。粉骨することで、このような希望にも柔軟に対応できます。
散骨する場合は他者への配慮のため、ご遺骨とわからないよう2mm以下の粉末状にするのがルールです。
粉骨すると乾燥や滅菌の処理がされるため、湿気やカビを防ぐことができます。骨壷の中に余分な空間ができにくくなり、清潔に保ちやすくなることも目的の一つです。
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ご遺骨を粉骨しないとどうなる？
散骨や手元供養など、新しい形の供養を選ぶ場合、粉骨をしないことでさまざまな問題が生じる可能性があります。
ここでは、ご遺骨を粉骨しない場合に考えられる懸念点を解説します。
散骨の際に法律に触れる可能性がある
粉骨をせず、人の骨だと分かる状態で遺骨を撒いてしまうと、刑法190条の「遺骨の遺棄罪」に問われる恐れがあります。
供養を目的とした「散骨」と、事件性のある「遺棄」とを区別するためには、散骨前に遺骨と分からないよう、2mm以下のパウダー状に粉骨することが重要です。
保管スペースに納まりきらない可能性がある
手元供養を選んだ場合も、粉骨をしていない遺骨はそのままではサイズが大きく、スペースに収まりきらないことがあります。特に小さな骨壺やミニ仏壇に納めるには、粉骨してコンパクトにすることが欠かせません。
さらに、粉骨しておくことで、ペンダントやブレスレットなど、身につけるタイプの手元供養品にも対応できます。
分骨・改葬の手続きが面倒になることがある
分骨や改葬（お墓の移転）を行う際も、粉骨してあるほうが作業や許可取得がスムーズです。粉骨されていない場合、骨片を扱う作業が慎重になるため、作業費用や手続きが増える可能性があります。
事前に粉骨を済ませておけば、故人やご遺族の意向に沿った手続きがスムーズになるでしょう。
粉骨したご遺骨の供養方法
粉骨したご遺骨の供養方法としては、海や山など自然のなかへの散骨、自宅に保管する手元供養のほかにも方法があります。
樹木葬
散骨と同様に自然葬の一つに数えられる樹木葬にはさまざまな形式があります。
都市に多い庭園型や自然の景観を活かした里山型など、いずれも墓標となるシンボルツリーの根元にご遺骨を埋葬する形です。
樹木葬の場合、粉骨は必須でなく骨壺のままで納める霊園もありますが、自然葬の本来の目的から、より早く自然に還れるように粉骨を条件にしている霊園もあります。
永代供養
永代供養は、家族の代わりに寺院が管理や供養を行う方法です。
納骨堂に納めるロッカー式や仏壇式などの場合、省スペース化のために粉骨を条件としている寺院があります。
粉骨をする際の注意点
粉骨を行う際には、事前の準備や親族への配慮が欠かせません。ご遺骨を砕くという行為に抵抗を感じる方もいるため、粉骨の必要性やその後の供養方法について親族間でよく話し合い、理解を得ておくことが大切です。
従来のお墓への納骨とは異なり、散骨のように粉骨を伴う新しい供養に不安を抱く方もいるため、丁寧な説明が求められます。
また、粉骨を業者へ依頼する場合は、サービス内容を事前にしっかり確認することが重要です。ご遺骨を丁寧に扱ってもらえるか、立ち合いが可能かなどは業者によって異なります。信頼できる業者を選ぶことで、安心して粉骨を任せることができます。
とこしえの粉骨サービス
ご遺骨サポートとこしえでは、故人様を思うご家族の気持ちに寄り添い、大切なご遺骨を安心して預けていただけるように、心のこもった粉骨サービスをいたします。
粉骨の際は、お立合いいただくことも可能です。東京都港区のショールームにて実施しておりますので、ご希望の方は事前にお申し付けください。
粉骨後には、海や山への散骨や樹木葬、永代供養など、さまざまな供養方法のなかからご家族の理想の供養が実現できるようご提案をさせていただきます。
粉骨やその後の供養についてご不明な点がございましたら、どのようなことでもお気軽に「とこしえ」までご相談ください。
