自然葬のなかでも、海洋散骨を選択する方は年々増えています。「死後は自然に還りたい」という故人様の希望を叶えるために行われています。また、さまざまな理由でお墓を持てない方や、お墓の管理や継承について悩んでいる方にとっても、海洋散骨は注目されています。
しかし、従来のお墓への埋葬ではなく、ご遺骨を海に散骨することについて、違法ではないかと心配する方も多くいます。そこで今回は、海洋散骨が法律的に問題はないのか、それにかかる費用やマナーについて解説します。海洋散骨を検討している方はぜひ参考にしてください。
海洋散骨は違法?
ご遺骨は、「お墓に埋葬することが法律で決まっているのではないか」「海に散骨するのは違法なのではないか」と疑問を持つ方も多くいます。日本には、散骨を禁止する法律はありません。
埋葬に関する法律では、墓地以外の場所に埋葬することは禁止していますが、ご遺骨を撒くことに関しては記述がなく、規制されていません。また、刑法190条では、ご遺骨を損壊・遺棄することを禁じられていますが、散骨については、供養の目的で節度をもって行われる限り問題はないと解釈されています。
散骨する場所や方法によっては、周辺の人々の感情を損ない、トラブルの原因になる可能性があります。その結果、損害賠償請求をされることも考えられます。散骨に対して否定的な意見を持つ方もいるため、細心の注意を払って行う必要があります。
海洋散骨の費用相場
海洋散骨には、大きく分けて3つのプランがあります。
・船を貸切って散骨するプラン
乗船人数や船の大きさによって金額が変わります。費用相場は約20~50万円です。
・複数の家族と一緒に乗船するプラン
同乗する家族が多いほど料金は安くなる傾向にあります。費用相場は約10〜20万円です。
・業者に代行を依頼するプラン
ご家族が船に同乗せず、業者に散骨を代行してもらうプランは、約5万円が相場です。
海洋散骨をするときのマナー
海洋散骨を行う際は、環境や周囲の人々への配慮が大切です。適切な方法で行うことで、故人様への敬意を表し、トラブルを避けることができます。以下に、海洋散骨を行う際の主なマナーをご紹介します。
1.事前に散骨エリアの確認をする
海洋散骨を行う際は、沿岸や観光地、水源、漁場などの近くを避けましょう。周辺住民や環境に影響を与える可能性があります。また、条例で散骨が禁止されている場所もあるため、事前に確認しておきましょう。専門の散骨業者が指定する海域で行うのが安心です。
2.ご遺骨は粉末状にして散骨する
日本では散骨に関して法律で明確な基準は定められておらず、節度を持った海洋散骨は問題ないとされています。ただし、ご遺骨をそのままの状態で撒くと、遺棄とみなされる場合があります。そのため、散骨する際は、ご遺骨であることが分からないよう、粉骨が必須です。2mm以下の大きさになるまで粉骨する必要があるため、専門業者に依頼することをおすすめします。
3.ご遺骨を撒く際は風向きに注意する
風向きを気にせず散骨すると、自分や周囲の人にご遺骨がかかってしまう可能性があります。必ず風下に向かって、できるだけ低い位置から撒くように心がけましょう。粉骨後のご遺骨は、水溶性の紙袋に納めてそのまま散骨すると安心です。
4.お供え物は自然に還るものを選ぶ
故人様への供養として、献酒や献花を行うことがありますが、環境への配慮として遺品を一緒に撒くことはできません。献花の際も、花びらだけをちぎって散らすようにします。また、食べ物や線香などのお供え物を撒くのも、海を汚す原因になるため避けましょう。
5.周囲の人に配慮して静かに行う
海洋散骨は個人の自由な供養方法ですが、周囲の人々に配慮することも大切です。散骨時には、大声で読経をしたり、大規模な儀式を行ったり、長時間船を停泊させたりすることは避けましょう。また、公共の乗船場を利用する際には、周りの人の印象を考慮して、喪服ではなく平服を着るのが望ましいです。周囲の方や運航中の船に配慮しつつ、迷惑にならないよう心がけましょう。
とこしえの海洋散骨パック
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海洋散骨についてご不明な点は、どのようなことでもお気軽にご相談ください。