ご遺骨を「ダイヤモンドに加工する」と言ってもピンとこない方も多いでしょう。実はダイヤモンドは人工的に生成可能な鉱物です。
ご遺骨からダイヤモンドを作り、供養する「ダイヤモンド葬」はまだ日本ではメジャーではない新しい手元供養の方法ですが、ご遺骨を身近に置くことで常に故人様とのつながりを感じることができます。
さらに、ご遺骨から作られたダイヤモンドを身に着けることで、故人様の魂が込められたその美しい輝きに心も癒やされることでしょう。ここでは、ご遺骨をダイヤモンドに加工する際の製造過程や依頼方法について紹介していきます。
ご遺骨のダイヤモンドの製造方法
ご遺骨のダイヤモンドは、ご遺骨に残った炭素を取り出し人工的に結晶を作ることで完成する合成ダイヤモンドです。硬度や輝きは天然のダイヤとほとんど変わりません。
- 遺骨を制作会社に送る
- 遺骨の確認、炭素量の検査
- 遺骨から炭素を抽出する
- 熱処理や物理処理を施し、不純物を取り除いて黒鉛にする
- 高温高圧法で合成ダイヤモンドを生成する
- 原石のカットや研磨をし、仕上げる
遺骨ダイヤモンドには、ご遺骨に含まれる成分により出来あがる色が微妙に違うという特徴があり、神秘的で唯一無二の輝きを放つ宝石に仕上がります。
ダイヤモンド以外の宝石を選べることもある
ダイヤモンド以外の宝石を使った「遺骨ジュエリー」も存在します。
ご遺骨から抽出した成分、または粉骨したご遺骨そのものを天然石と融合させて宝石に加工するという方法です。サファイアやルビーなどが選べる場合もあります。
また、麗石と呼ばれる透明度のない石に加工すれば、数珠や勾玉など幅広い形のアクセサリーとして身につけることが可能です。
注文する際の流れ
遺骨ダイヤモンドは、国内の代理店を経由し海外で制作されることが多く、スイスのアルゴダンザ社やアメリカのライフジェム社が有名です。遺骨ダイヤモンドを注文する際の大まかな流れを紹介します。
- 資料請求、相談
- 申し込み
- 遺骨の送付
- 遺骨ダイヤモンドの作成
- 受け渡し
遺骨ダイヤモンドの完成までには4〜6ヶ月程度かかります。注文時期によって、制作期間が異なるため、事前に確認が必要です。
ご遺骨をダイヤモンドにする際の注意点
ご遺骨をダイヤモンドにする際に覚えておきたい注意点が3つあります。
1.必要な費用
遺骨ダイヤモンドの制作費はカラットやカット、デザインにより異なります。
参考価格として、原石の制作のみで0.20カラットで40万円くらい、カットを行うと50万円以上になることが多く、ジュエリーに加工した場合はさらに5万円~10万円ほど追加されます。
サイズが大きくなれば金額も上がり、1.0カラットのカットを行うと300万円近くになることもあります。
2.一度加工したものは元に戻らない
ご遺骨をダイヤモンドに加工後、元に戻すことはできなくなります。メリット、デメリットを理解したうえで、やるかやらないかを決定する必要があります。
3.製作するために必要なご遺骨の量
製作会社によって必要なご遺骨の量が異なり、7〜300グラムと幅広いです。地域によって収骨する量が違うため、事前に確認しておくとよいでしょう。
このような場合には、髪の毛からの抽出で補えることが多いため、万が一に備えて毛髪を取っておくことを検討してください。
ダイヤモンド以外の手元供養の方法
手元供養とはご遺骨を自宅で保管して供養することです。ご遺骨をパウダー状に粉骨したあとミニサイズの骨壺に納める方法が最も多くの方に選ばれている手元供養です。
素材やデザインのバリエーションが豊かで、なかには一見して骨壺とわからないものもあります。身に着ける方法としては、ご遺骨そのものをペンダントトップに入れる形のアクセサリーが手軽で支持されています。
自分の理想とする供養の方法について、親族ともよく話し合い了承を得たうえで決めることが大切です。とこしえでは、故人の供養に関する情報を発信しています。粉骨に関するサービスも展開しておりますので、お気軽にご相談ください。