これまで日本での供養方法といえば、お墓にご遺骨を納骨し、お参りをするというのが一般的でした。
しかし、近年では「死後は自然に還りたい」という思いを持つ方が増え、お墓を持たない供養方法を選択する方が増えているといいます。特に、散骨や樹木葬と呼ばれる供養方法が注目を集めています。
そこで今回は、散骨と樹木葬との違いや、それぞれの費用相場、散骨に欠かせない粉骨作業について紹介します。
散骨と樹木葬の違い
散骨と樹木葬は、どちらも自然葬と呼ばれることから同じものだと思われがちですが、実はその供養の仕方は全くの別物だといえます。
散骨は「撒く」。樹木葬は「埋葬する」
散骨には、海洋散骨や山林散骨といったように、供養をする場所によって名称が変わりますが、どんな場所であっても散骨ではご遺骨を「撒く」ことが供養方法です。
それに対して、樹木葬ではご遺骨を樹木の下に「埋葬」することで供養を行います。これが、散骨と樹木葬の最も大きな違いです。
供養するご遺骨の形状の違い
散骨を行う場合、ご遺骨は元の形が分からなくなるまで粉骨をする必要があります。
しかし、樹木葬ではご遺骨を許可が得られた場所に埋葬するので、粉骨をする必要はありません。火葬後に骨壷へと納めた状態で埋葬できます。
墓標の有無
散骨は、ご遺骨を広範囲に撒くことになるため、墓標のような目印はありません。樹木葬では、シンボルとなる樹木の下に埋葬するため、樹木が墓標の役割を果たします。
散骨と樹木葬の費用相場
散骨と樹木葬では、費用相場も違ってきます。
散骨
散骨をする場所によっても費用に違いが出てきます。代表的な海洋散骨の場合、乗船散骨ですと10~30万円程度が相場です。
金額の差は、チャーターする船の大きさの違いによるものです。専門業者に依頼する代理散骨なら、5~10万円と費用をさらに抑えられます。
樹木葬
樹木葬の費用相場は、契約する霊園や埋葬場所によって違いが生まれます。
例えば、一般的なお墓のように、個人で区画を購入する場合は30万円以上必要です。それに対して、永代供養墓のように血縁のない大勢の方と同じ場所に埋葬する合祀型だと、8万円程度です。
また、樹木葬の場合は、運営する寺院や霊園によっては半永久的に維持費が無料の永代供養タイプではなく、毎月や年ごとに管理料が発生するケースもあるようです。
散骨に必要な粉骨作業
散骨を希望するなら、必ずご遺骨を粉骨しなければなりません。ご遺骨をそのままの形で海や山に撒こうとすると、死体遺棄罪などの罪に問われる恐れもあります。
粉骨は自分でも行える
粉骨作業は、自分でも行うことは可能です。しかし、一人分のご遺骨を粉末状になるまで砕くのは、労力的にも精神的にも辛い作業となるため、特に強いこだわりがないのなら、粉骨専門業者に依頼をするのが得策です。
粉骨前にご遺族や親戚の了承を得る
当たり前の話ですが、一度粉末状に砕いたご遺骨は元に戻すことができません。したがって、粉骨を行うことを自分だけで決めるのではなく、ほかのご遺族や親戚に了承を得てから作業を進めてください。
とこしえの海洋散骨パック
ご遺族様や故人様の希望に寄り添って、ご遺骨サポートを行う「とこしえ」では、海洋散骨と粉骨作業がセットになった「海洋散骨パック」というプランを提供しています。
粉骨作業では、海に撒きやすいように粉末状にしたご遺骨を水溶性の袋へと収めています。また、海洋散骨では東京や横浜といった日本各地以外にハワイでの海洋散骨を承っています。
海洋散骨に興味を持たれましたら、ぜひとこしえまでお問い合わせください。