家族や親戚が亡くなると、通夜やお葬式を行った後に火葬するというのが日本における一般的なお見送り方法でした。
しかし、近年では通夜やお葬式をしないで、そのまま火葬をする火葬式と呼ばれる方法を選択する家庭が増えているといいます。
古い形式にとらわれない火葬式に興味があっても、具体的にどのようなことをすればいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、火葬式の方法や費用相場、ほかのお葬式との違いについて紹介します。
火葬式とは
火葬式とは、その名前が示す通り、火葬のみを行うことで故人様を見送るという葬儀のスタイルです。法律により、亡くなってから24時間経過しないと火葬をすることができません。
したがって、病院で亡くなった場合は自宅や安置場所にご遺体を移動し、24時間経過後に火葬場へと移動します。そして、火葬炉前で僧侶による読経や、ご遺族との最後の別れを経て火葬されます。
家族葬との違い
家族や極少ない身内だけで故人を見送る家族葬というスタイルがありますが、家族葬と火葬式は全くの別物だといえます。
家族葬の場合、規模が小さいというだけで、通夜やお葬式といった儀式を行った後に故人様を火葬します。つまり、家族葬とか葬式の違いは、参列する人数ではなく、通夜やお葬式といった儀式の有無の違いだといえます。
火葬式の費用相場
火葬式を行うメリットの一つに、費用が抑えられるという点があります。具体的にいうと、火葬場に掛かる費用相場が15~20万円くらいだといわれています。
これに、僧侶に読経をしてもらう場合のお布施や棺に入れるお花代などを合わせても、30万円以内に収めることが可能です。家族葬の費用相場が100万円前後なのに対して、火葬式の場合は3分の1以下という低価格で抑えられます。
また、地域によっては公営の火葬場は無料で火葬できる場合もあるため、さらに費用を抑えることにつながります。
火葬後の供養方法
火葬後に残るご遺骨についても、ご遺族のライフスタイルや故人様の生前の希望に合わせてさまざまな供養方法のなかから選べます。
先祖代々のお墓に納骨する
先祖代々の墓があって、日頃から管理している場合は、四十九日法要が終えた後に納骨をするというのが一般的です。
永代供養墓に納骨する
お墓を持たない供養方法を選ぶ場合、寺院や霊園が運営している永代供養墓に納骨をする方も少なくありません。お墓の維持管理を半永久的に行ってもらえるため、残された家族に負担を掛けたくないという理由で故人様が永代供養墓を希望するケースもあります。
散骨する
海や山などに、粉末状になるまで砕いたご遺骨を撒いて供養する方法です。自然に還りたいという理由で散骨を選ぶ方が増えています。特に、所有者のいない海に散骨をする海洋散骨を専門に扱う業者も多く、故人様やご遺族様の希望に合わせたプランが提供されています。
手元供養する
火葬場から持ち帰ったご遺骨を、そのまま自宅などの身近で保管する供養方法です。いつでも故人様を身近に感じられるという安心感があります。住宅環境に合わせたオシャレな骨壷やフォトスタンドといった定番の手元供養品のほかに、ご遺骨を加工したアクセサリーも人気があります。
散骨をする際は粉骨が必要
散骨をする上で注意しなければならないのは、ご遺骨は粉骨が必要だという点です。
ご遺骨を元の骨の形が分かる状態で撒くことは、法律上禁止されています。そのため、2ミリ以下になるまで粉骨しなければなりません。
粉骨は個人でも行えますが、非常に労力も時間も掛かってしまうため、できれば粉骨専門業者に依頼するのが得策です。とこしえではご遺骨を粉骨するサービスを展開しています。粉骨に関する悩みなど、お気軽にご相談ください。