さまざまな理由からご遺骨を粉骨する必要が出てきたとき、自分で粉骨をするには資格が必要なのか、また法に触れるかどうかも気になりませんか。
ここでは、自分で粉骨することは可能か、そして粉骨をする際には知っておきたいことなどを解説します。
粉骨には資格が必要?
自分でご遺骨を粉骨するための資格や許可は必要ありません。
ご遺骨は法律上で物に該当するとされているので、自分で粉骨を行っても違法ではありません。最近では、自宅で粉骨をするための道具がひととおりそろった、粉骨キットも販売されています。
粉骨をする手順
ここでは自分で粉骨をする際の流れを、順を追って解説していきます。
1.不要物を除去する
直接ご遺骨に触れないようにゴム手袋などを装着した後、ご遺骨を骨壷から取り出し、金属製やガラス製のバットなど平らな容器に広げます。
ご遺骨の中に混じった、装飾品や医療器具、棺の燃えカスやネジなどの不要物を取り除きます。不要物がご遺骨に混じっていると、粉骨の際に思わぬけがの原因にもなるので注意が必要です。
2.乾燥させる
ご遺骨が湿気や水分を含んでいると、粉末状にならない可能性があるのと同時に、カビが生える恐れがあります。そのため、粉骨を行う前にご遺骨をしっかりと乾燥させることが重要です。
自然乾燥の場合は、新聞紙やバットの上にご遺骨を広げた状態にして2~3日くらい、室内の日当たりのいい場所で乾燥させます。早く乾燥させたい場合は、ご遺骨をビニール袋に入れて密封し、ドライヤーを挿入して風を当てます。
3.粉骨する
自分で粉骨をする方法は大きく分けて4種類あります。次の章で詳しく解説します。
個人で粉骨する方法
個人で粉骨するにはいくつか方法があります。ここでは4つの方法を紹介します。
袋に入れてハンマーなどで粉砕する方法
丈夫なビニール袋を数枚重ねてその中にご遺骨を入れ、ハンマーやめん棒などを使い、たたいて粉骨します。自宅にあるものでできますが、粉末状にするまでにはかなりの労力と時間が必要になります。
乳鉢を使ってすり潰す方法
大きめの乳鉢を使用し、ご遺骨を数回に分けて乳棒ですり潰しながら粉骨します。
大きな乳鉢は比較的簡単にオンラインショップなどで入手可能ですが、おそらく一度しか使うことがないため多少の出費になります。粉末になるまですり続ける必要があり、この方法も手間と時間がかかります。
壷の中で押しつぶす方法
乾燥させたご遺骨を、壷の中で綿棒などを使って押しつぶす方法です。
この際の壷は骨壷である必要はありませんが、頑丈な作りの壷を使用します。底の厚みが薄いと、押しつぶす力で壷が割れてしまうことがあるので注意が必要です。
ミルを使って粉砕する方法
フードプロセッサーや専用の粉骨機をレンタルして粉砕します。
フードプロセッサーの場合は新しく粉骨のために購入する必要があり、レンタルする場合も費用がかかります。4つの中で一番費用はかかりますが、力を使わず一番簡単に粉骨ができる方法です。
粉骨の際の注意点
粉骨をする際には、ご遺骨を2mm以下の粉末状にする必要があります。
これに関して明確に決まりがあるわけではありませんが、ほとんどの粉骨専門業者では海外の法律に習い2mm以下に粉骨を行います。これは散骨やその他の供養をする際に、不要なトラブルに見舞われないためにも注意すべき点といえます。
粉骨後のいろいろな供養方法
粉骨を行った後の供養にはさまざまな方法があります。
- 自宅で手元供養をする
- 海や山で散骨を行う
- 永代供養をしてもらう
- 専門の場所で樹木葬を行う
- アクセサリーとして身に着ける
粉骨した後、どのような供養方法で行うのかは自由です。この機会にいくつかの方法を調べてみて検討するのも良いでしょう。
いつもすぐそばで一緒に過ごすために
粉骨をすることで初めて可能になる供養の方法がいくつもあります。
散骨や樹木葬を行う人のなかには、完全に手元からご遺骨がなくなってしまうのを避けるために少しだけ手元に残す方法をとる人もいます。
とこしえでは、そのようなときに必要になる手元供養品を数多くとりそろえています。粉骨のことから供養に至るまで、お悩みの際はぜひとこしえへお気軽にご相談ください。