少子高齢化の影響や日本人の死生観の変化などにより、故人に対する供養方法も選択肢が増えてきました。そのなかで、近年注目を集めているのが樹木葬です。
「死後は自然に還りたい」という思いを持った方に選ばれている供養方法です。
しかし、現在の日本において完全に周知された供養方法ではないため、実際にどのくらいの費用がかかるのか、埋葬方法はどのようなものかなど、詳しい内容を知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、樹木葬の種類や費用相場、さらにはメリットやデメリットなど、樹木葬について幅広く解説してきます。
樹木葬とは
樹木葬とは、シンボルとなる樹木の下に、ご遺骨を埋葬し、故人を供養する方法です。
樹木を墓石の代わりにすることで、「人間は死後、自然に還る」という循環を意識した供養ができます。
自然回帰をモットーとしていることから、散骨と同じように考えられていますが、散骨が海や山へご遺骨を「撒く」のに対して樹木葬は木の下に「埋めて」いるため、この2つは全くの別物です。
樹木葬の種類と費用相場
樹木葬は、霊園のタイプによって大きく3つに分かれています。
庭園タイプ
さまざまな草花が植えられた、ヨーロッパの庭園を彷彿とさせる見た目をしています。
庭園タイプは、通常のお墓がある霊園の一角に設置されている場合が多いです。都市型の樹木葬とも呼ばれ、交通アクセスの良い場所にあるのもメリットです。
公園タイプ
自然が感じられる公園のように整備されたタイプです。庭園タイプと同様に、霊園内の一角を樹木葬の場所として開放し、1本〜数本の木をシンボルツリーとして区画ごとに植えているところが多いです。
里山タイプ
地方や郊外の広大な場所にあるのが特徴です。区画分けや整備なども最小限のみ行い、できるだけ自然そのままの形で埋葬します。
樹木葬の平均費用相場は、約70万円です。
埋葬タイプや人数によって費用は左右されますが、一般的なお墓を建立すると100～350万円が相場となることから、樹木葬の方がリーズナブルだといえます。
樹木葬のメリット・デメリット
樹木葬を選択する前に、メリットとデメリットの両方をきちんと把握しておくことが大切です。
メリット
継承者が必要ない
樹木葬の大きなメリットは、継承者が必要ないことです。
寺院や霊園が全て管理をしてくれるため、後継者がいない人や、子世代に負担をかけたくない人におすすめです。
費用を抑えられる
一般的なお墓が数百万円かかるのに対して、樹木葬は安ければ10万円〜利用できます。
また、維持管理費は無料の霊園が多く、かかるとしても年間で5千〜2万円程度と、負担が少ないのが魅力です。
宗旨や宗派を問わない
自然に還ることが目的となっている樹木葬では、故人が信仰していた宗旨や宗派を問わず、誰でも利用可能です。宗教やしきたりにとらわれない埋葬方法だといえます。
デメリット
後からご遺骨を取り出せない
血縁関係がない他人と合祀される樹木葬の場合、一度埋葬してしまうと後からご遺骨を再び取り出すことは不可能です。
そのため、事前にしっかりと親戚間で話し合って了承を得ておきます。
お墓参りが難しい場合も
個人の区画がなく、一つの大きなスペースにまとめて納骨をする樹木葬では、個人の墓標がないことも少なくありません。
そのため、墓前で手を合わせるといった、これまでのようなお墓参りをするのが難しくなります。
樹木葬の霊園を選ぶときのポイント
樹木葬を行っている霊園を選ぶときは、以下の点に着目してみてください。
- 霊園の立地
- 価格
- 初期費用や年会費の有無
- 管理やサービスの種類
- 運営会社の管理体制
自分の希望にあった霊園を洗い出しておくことが大切です。そのうえで複数の霊園を比較検討し、後悔のない選択をしましょう。
とこしえの粉骨サービス
樹木葬を行う際に、霊園によってはご遺骨をパウダー状になるまで粉骨する必要があります。
ご遺骨に関するあらゆるサービスをサポートしているとこしえでは、粉骨サービスを提供しています。
手作業と機械での作業を組み合わせた丁寧な粉骨作業を行っており、粉骨後にはご遺族様のご希望に合わせて真空パックへの封入や水溶性袋への収納などを行っております。
樹木葬や散骨、手元供養などで粉骨をする予定がありましたら、ぜひとこしえまでお問い合わせください。
