近年、お墓以外の供養方法を選ぶ方が増えてきました。そのなかで「粉骨」や「散骨」という言葉を耳にする機会も多くなったのではないでしょうか。
しかし、実際に粉骨を検討すると、「粉骨は法律的に問題はないのか」「注意すべきことはあるのか」と気になる方もいるでしょう。
そこで今回は、粉骨に関する法律やガイドライン、注意点に加え、自分で行う方法と専門業者へ依頼する利点について解説します。
さらに、粉骨後に選べる代表的な供養方法もご紹介します。安心して供養を進めるために、ぜひ参考にしてください。
粉骨は違法?

粉骨そのものは、現在の日本では違法とされていません。供養を目的としてご遺骨を細かく加工する行為を禁止する法律はなく、多くのご遺族が手元供養や散骨の準備として利用しています。
また、海や山への散骨を行う場合には、ご遺骨と判別できない大きさに粉砕することが望ましいとされています。これは、散骨が「遺骨遺棄」と誤解されないための配慮です。
厚生労働省の散骨に関するガイドラインの「散骨事業者に関する事項」では、次のように記載されています。
(3)焼骨の形状
焼骨は、その形状を視認できないよう粉状に砕くこと。
引用元:厚生労働省『散骨に関するガイドライン』
ご遺骨を粉骨する方法

ご遺骨を粉骨する方法には、自分で行う方法と専門業者に依頼する方法があります。どちらも手順や特徴が異なるため、負担・安全面を考慮しながら適した方法を選ぶことが大切です。
自分で粉骨する方法
粉骨には資格や許可が不要なため、道具をそろえれば自分で行えます。自分で粉骨する場合は、乳鉢にご遺骨を入れてハンマーで細かく砕き、すり鉢を使ってパウダー状にしていきます。
粉骨作業は体力的にも精神的にも負担が大きく、粉塵が舞うことで衛生面のリスクも伴います。そのため、特別な理由がない限り、専門の業者に依頼することをおすすめします。
業者に依頼する方法

粉骨専門の業者に依頼する場合でも、特別な許可や申請は必要ありません。ほとんどの業者では、手作業で大まかに砕いてから、専用の機械を使用して均一なパウダー状に仕上げます。
ご遺骨は持ち込み、または郵送で依頼します。業者によっては作業に立ち会うことも可能です。希望する場合は、粉骨時に立ち会い可能かどうかを事前に確認しましょう。
自分で粉骨する際の注意点

自分でご遺骨を粉骨する場合は、いくつかの注意点を意識しながら進めることが大切です。
ここでは、作業にあたって特に気をつけたい3つのポイントを説明します。
1.周囲の人への配慮を忘れない
供養を目的として粉骨を行うこと自体には法律上の問題はありませんが、周囲の人に誤解や不安を与えないよう、十分な配慮が必要です。
特に、自宅で粉骨を行う場合、近隣から見える場所で作業すると、どれだけ丁寧に行っていても第三者が不快に感じる可能性があります。粉骨はデリケートな行為のため、必ず人目につかない場所で静かに進めましょう。
2.衛生面・安全面への注意

粉骨作業では粉塵が舞いやすいため、マスク・手袋の着用や十分な換気が非常に大切です。
また、作業には力が必要な場面も多く、体力的な負担が大きいことや、道具の扱いによってケガの恐れがある点にも注意が必要です。無理をせず丁寧に進めましょう。
3.故人様への敬意を持って行う
粉骨や散骨は、いずれも故人様を大切に想う気持ちから行うものです。
作業中もその後の取り扱いも、常に故人様への敬意と周囲への配慮を忘れずに行うことで、安心して供養につなげることができます。
粉骨後の供養方法

粉骨することで、ご遺骨をお墓に納めない多様な供養スタイルを選べるようになります。代表的な供養方法は以下のとおりです。
- 散骨
- 樹木葬
- 合祀墓
- 手元供養
継承者の負担が少ない供養法としては、散骨や樹木葬です。樹木葬や合祀墓への納骨は、寺院や霊園によって粉骨を条件としているところもあります。
また、すべてのご遺骨を手放してしまうことに抵抗がある方には、一部を自宅で保管する「手元供養」がおすすめです。
デザイン性の高いミニ骨壺は、リビングに置いても違和感がなく、いつでも故人様を身近に感じられます。
粉骨後はとこしえの手元供養品で安心の供養を

ご遺骨サポート「とこしえ」では、ご遺族が故人様を思う気持ちを第一に考え、理想の供養方法を実現できるようご提案いたします。
大切なご遺骨をお預かりしたあとは、心を込めて粉骨したうえで、各種手元供養品への封入も承っております。
手元供養品は、ミニ骨壺をはじめ、写真立てと一体型のタイプや身につけられるペンダントタイプなど豊富な種類をご用意。ご自宅で衛生的に保管しながら、いつでも故人様を身近に感じられる供養が可能です。
粉骨や供養に関して不安や疑問がございましたら、どのようなことでもお気軽にご相談ください。





