近年、時代の流れや家族形態の変化により、お墓を持たない供養方法を選択する方が増えています。そのなかでも、ご遺骨を海に撒く『海洋散骨』という方法が注目を集めています。
しかし、まだ新しい供養方法なので、具体的にどのように供養をすればいいのか分からないという方も、多いのではないでしょうか。
そこで今回は、海洋散骨を行う際に注意したい点や海洋散骨以外のお墓を持たない供養方法について、詳しく解説していきます。
海洋散骨ではご遺骨を海に撒いて供養する
海洋散骨と聞いて「遺骨を海に撒いてもいいの?」と純粋に疑問を持った方も多いようです。
海洋散骨ではご遺骨を海に撒いて故人を供養します。もちろん、法律上でも問題ない行為とされています。ただし、好きな場所で自由に撒いて良いという訳ではなく、守らなければならないルールがあります。
ご遺骨を海に撒く際の注意点
ご遺骨を海に撒く際、注意しておきたいことが3つあります。
1.必ず粉骨を行う
海へご遺骨を撒く場合、元の形が分からないように粉骨をしなければなりません。もし、ご遺骨をそのまま海に撒いてしまった場合、遺骨遺棄罪という法律に抵触してしまいます。
粉骨の大きさも2mm以下と定められており、粉骨後のご遺骨はパウダー状にします。個人の手作業で粉骨をするのは難しいため、専門業者に依頼する方が多いようです。
2.法律や自治体の条例を確認する
自治体によっては、粉骨したご遺骨であっても散骨を禁じる条例が制定されているところもあります。例えば、海水浴場や観光スポット、漁場や養殖場の近くなど、他の人に迷惑がかかる場所で散骨は控えるべきです。
そして、2021年3月には散骨のトラブルが引き起こされないように、厚生労働省は事業者向けた散骨に関するガイドラインを発表しました。散骨のサポートを業者に依頼する場合、このガイドラインに則った方法で行われているかどうか確認しておきましょう。
3.事前に親族の了解を得る
海洋散骨は新しい供養方法のため、抵抗をある方も少なくありません。自分だけで散骨を決めるのではなく、他のご遺族や親戚との話し合いを重ねて、理解を得られた上で行う必要があります。
海洋散骨以外の供養方法
ご遺骨を供養する方法は、海洋散骨以外にも複数あります。ここでは海洋散骨と併せて一緒に覚えておきましょう。
樹木葬
樹木の下に粉骨したご遺骨を埋葬する方法です。
海洋散骨と同様に、どこにでも埋葬していいのではなく、霊園や寺院が管理や運営をしている敷地内にある樹木の下に埋葬するというスタイルが多く、親族ではない他の人と同じ場所に埋葬することになります。
宇宙散骨
遺灰を入れた専用カプセルをロケットに乗せて、そのまま宇宙に打ち上げる新しい散骨方法です。
打ち上げたロケットは地球を何周か回った後に大気圏で消滅するため、手元に残りません。以前は、非常に高額な費用がかかりましたが、最近では20万円台から利用できる宇宙散骨サービスもあるようです。
手元供養
ご遺骨をお墓に納めず、自宅などの手元で管理することを手元供養といいます。
散骨した後のご遺骨の一部を、手元供養することも可能です。また、ご遺骨を加工したアクセサリーを身に着けるといった供養方法も人気です。
大切な故人様やペットを弔う手元供養品
お墓を持たない手元供養では、ミニ骨壷に粉骨したご遺骨を納めて保管するのが一般的です。
手元供養品は、住宅環境に合うようなおしゃれなデザインや高級感のある素材で作られており、種類も豊富です。また、最近ではペットも家族同様に弔う方も多く、ペット専用の骨壷やメモリーペンダントといった手元供養品を取り扱っている専門業者も数多くあります。
とこしえでは、粉骨サービスも提供しております。興味を持たれましたら、お気軽にお問い合わせください。