故人をいつも身近で感じていたいという思いから、ご遺骨を自宅で保管する手元供養という考え方も一般的に認知されるようになってきました。
また、最近では、外出先でも肌身離さず故人といられるように、ご遺骨をアクセサリーに加工して身に着けているという方もいます。なかでも、ご遺骨をダイヤモンドに加工する方法があることをご存じでしょうか。
今回は、ご遺骨のダイヤモンド加工にかかる費用相場やメリットについて解説します。ご遺骨のアクセサリー加工をお考えの方は参考にしてみてください。
ご遺骨からダイヤモンドができるって本当?
日本ではまだ馴染みがないかもしれませんが、ご遺骨やご遺灰をダイヤモンドに加工してアクセサリーに仕上げるという供養は「ダイヤモンド葬」と呼ばれています。
アメリカ発祥のご遺骨ダイヤモンド加工
ご遺骨ダイヤモンドを作成する手順としては、ご遺骨に含まれる炭素を抽出し、熱処理や物理処理を行います。そして、不純物を取り除き、黒鉛となった物を高温高圧法によって合成ダイヤモンドに生成します。
アメリカのライフジェム社が、世界で初めてご遺骨からのダイヤモンド加工を行ったといわれています。
ご遺骨のダイヤモンドは何色?
ご遺骨によって制作するダイヤモンドは、仕上がるまで何色になるかは分かりません。無色透明なダイヤモンドになる場合や、青みがかった色や黄色・オレンジになる場合もあります。
これは、制作中の炭素を抽出する過程で残った化学物質が空気中の窒素によって変化するからです。加工会社によっては、希望の色に調整して仕上げるケースもあります。
海外の会社へ依頼するのが一般的
ご遺骨ダイヤモンド加工をしたい場合は、海外の専門業者に依頼をするのが一般的です。例えば、先程紹介したアメリカのライフジェム社や、スイスのアルゴダンザ社があります。
有名企業や大手企業の場合は、日本国内に委託企業や取扱店を設けていることが多く、日本で依頼手続きを済ませることが可能です。
ご遺骨ダイヤモンド加工の場合、業者によっては実際の製造過程を見学できるプランが用意されていることもあります。
ご遺骨をダイヤモンドにする際の費用相場
ご遺骨をダイヤモンドに加工するためにかかる費用の相場は、天然ダイヤモンドと同じようにカラット数やデザインによって価格が大きく変動します。
相場としては、0.2カラットだと40万円程度といわれています。1.0カラットになるとデザインによっては200万円を超えることも珍しくありません。さらに、ダイヤモンドをアクセサリーに仕上げる加工料は、土台となる金属の種類やデザインによって5~20万円程度となります。
製作期間はどれくらい?
ご遺骨からダイヤモンドへの加工製作期間は、大体4~6ヶ月程度といわれています。
これは、アメリカやスイスといった海外の工場で製作するため、日本からご遺骨を持ち運ぶ輸送期間も必要になるのが理由です。
また、複雑なデザインを依頼したり、依頼先が人気のある工場だったりすると、より製作期間が長くなります。
製作するうえでの注意点
ご遺骨のダイヤモンド加工制作をする際に注意しなければならない点がいくつかあります。
1.ご遺骨が不足する可能性がある
例えば、体重が60キロの男性のご遺骨から加工できるダイヤモンドは、最大で1.0カラットといわれています。
つまり、故人の体格が小さかった場合や、散骨をした残りのご遺骨でダイヤモンド加工を希望されている場合、ご遺骨が不足する可能性があります。
2.加工すると元に戻せない
ひと度ダイヤモンドに加工してしまうと、ご遺骨を元の状態に戻すのは不可能です。また、ほかのご遺族や親戚の方とも相談し、加工の了承を得ていないとトラブルを招く恐れがあります。
ご遺骨のダイヤモンド加工は、手元供養のなかでも新しい供養の方法であることから、すぐに決断するのではなく、しっかりとメリットとデメリットを把握したうえで行うことが大切です。
ご遺骨のさまざまな手元供養方法
手元供養は、故人との絆を大切にしながら、身近に感じられる方法で供養ができます。今回は、ご遺骨をダイヤモンドに加工して供養する方法を紹介しましたが、供養方法が多様化しており、このほかにもさまざまなニーズに対応したものがあります。
小さな骨壺を使った手元供養や、ご遺骨をペンダントに入れてアクセサリーとして肌身離さずにつけられる方法もおすすめです。また、ダイヤモンド加工に近い方法として、ご遺骨を溶かしたガラスで包み込んで作るアクセサリーや、ご遺骨を石英と一緒に高温融解して作る人工宝石などもあります。
とこしえでは、供養に関するさまざまなご相談を承っています。供養についてご不明な点や不安なことなどあれば、ぜひとこしえまでお気軽にご相談ください。ご遺族の想いに寄り添ったご提案をさせていただきます。