散骨はお墓を建てて守っていく従来の供養と比べて負担が少なく、「死後は自然に還りたい」という故人様の願いを叶えられる葬送方法です。
散骨といえば海をイメージする方が多いですが、登山が好きで山に思い入れのある方は山での散骨を希望することもあるでしょう。
少しずつ広がりを見せている散骨ですが、実際に行うとなると分からない点や不安な点が多くあります。
ここでは山での散骨について、費用相場や注意点を解説します。
山への散骨はできる?
山への散骨は海よりも規制が多いですが、ルールやマナーを守れば故人様の「母なる大地に還りたい」という願いを叶えることは可能です。
散骨は節度を守って行うなら問題はないとされていますが、条例で散骨自体を規制している地方自治体があるため注意が必要です。
山林には必ず所有者がいます。国有林や自治体の所有地、他人の所有地に許可なしでは散骨できません。
山へ散骨したい場合はトラブルを避けるため、散骨のための場所を用意している専門の業者に依頼するのが安心です。山での散骨は自分の所有地か業者が所有する山でないと難しいといえます。
散骨をするにはご遺骨がそれとわからないよう粉状に加工する「粉骨」をする必要があります。業者に依頼することで粉骨作業から散骨までをトータルで請け負ってくれます。
山で散骨をする流れ
山で散骨をする流れは以下の通りです。
1.散骨する場所を決める
条例で散骨が禁止されている場所や他人の私有地を避け、故人様の好きだった場所、思い入れのある場所を選びます。
2.散骨のための粉骨作業を業者に依頼する
粉骨をしないで散骨を行うと法律に触れる可能性があるため、必ず行います。ご遺骨を粉状に加工すると体積が減り、骨壺ではない持ち運びのしやすい袋に封入してもらえます。
3.散骨をする
散骨をする場所にご遺骨を持参する際は周辺への配慮から喪服は避けましょう。決めた場所に到着したら散骨を行います。
山への散骨にかかる費用相場
散骨の必須条件である粉骨作業にかかる費用相場は1~3万円程度です。工程をすべて手作業で依頼したり、立ち合いを希望したりする場合は費用が上乗せされることがあります。
粉骨から散骨までの工程をトータルで依頼した場合の費用相場は20万円程度です。粉骨のみ業者に依頼し、自分だけで散骨を行う場合は粉骨費用と現地への交通費のみです。
山で散骨をするときの注意点
山で散骨をする際には、以下のことに注意する必要があります。
粉骨をする
散骨をするときはご遺骨とわからないよう細かく、2mm以下になるように粉骨する必要があります。
条例で散骨を禁止されている場所や他人の所有地に散骨してはいけないのはもちろんですが、見た人の感情に配慮し、住宅地の近くや観光地など人目につくところで散骨することも避けましょう。
埋葬はしない
散骨とはあくまでご遺骨を撒くことです。
墓地以外の場所に埋葬することは法律で禁止されていますので、土に埋めたり、土をかぶせたりしてはいけません。
お線香を焚くときは火の不始末に注意し、お供物は環境保全のため必ず持ち帰りましょう。
自然災害に注意
山は平地と気象条件が違う場合があり、思わぬ災害に巻き込まれることがあります。散骨は台風シーズンや降雪・凍結のある冬、雨が多い季節を避けて行いましょう。
とこしえの粉骨サービス
ご遺骨サポートとこしえでは、ご家族が故人様を思う気持ちに寄り添い、供養の一環としての粉骨作業をさせていただいております。
散骨のためにはご遺骨を粉状に加工する必要があります。その後、ご家族の理想とする供養が実現しますよう心をこめてサポートさせていただきます。
粉骨やご供養について分からない点がございましたら、どのようなことでもお気軽にご相談ください。