近年では、「お墓に納骨する」以外の供養方法が広がりつつあり、手元供養や自然葬を選ぶ方が増えてきました。
こうした供養を行うには、ご遺骨の粉砕(以下、粉骨)という工程が必要不可欠です。
今回は、粉骨の手順や費用の目安、粉骨後の供養方法などについてご紹介します。
ご遺骨を粉骨する際の手順
ご遺骨を粉骨するには、以下の3つの工程を順を追って行う必要があります。
1.混入物の除去
まずは、ご遺骨に混ざっている釘・医療器具などの異物を取り除きます。
これらが残ったままで粉骨を行うと、粉砕機の故障や事故につながる恐れがあるため、慎重な確認が必要です。
2.乾燥
ご遺骨は水分に弱く、湿った状態のままだとカビや劣化の原因になります。そのため、粉骨前にしっかりと乾燥させることが重要です。
特に長期間骨壷に保管されていたご遺骨は、見た目が乾燥していても内部に湿気を含んでいることがあります。
3.粉骨(粉砕)
散骨や樹木葬などの自然葬を行うためには、ご遺骨を2mm以下の粉末状にする必要があります。
手作業で行う場合、すり鉢やハンマーを使って丁寧に粉砕していくため、時間と根気を要する作業です。
ご遺骨の粉骨は自分でもできる
ご遺骨の粉骨は、自分自身で行うことも可能です。方法としては、大きく分けて次の2つがあります。
1.自宅の道具を使って粉骨する
すり鉢や乳鉢、ハンマーなど、家庭にある道具でご遺骨を砕く方法です。これらの道具はホームセンターなどでも手軽にそろえられ、すべて新しく購入しても1万円以内に収まるのが一般的です。
ただし、道具の扱いには慎重さが求められ、時間と手間もかかるため、無理のない範囲で行うようにしましょう。
2.粉骨機をレンタルして行う
効率的に粉骨を進めたい場合は、専用の粉骨機(粉砕機)をレンタルして行う方法もあります。粉骨機のレンタルは、1週間でおよそ2万円程度が相場です。
レンタル料金や貸出期間は業者によって異なるため、事前に近くの取扱店やネットレンタルサービスで詳細を確認しておきましょう。
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粉骨の費用相場
粉骨の費用は、方法や目的によって異なります。
代表的な3つの粉骨方法と、それぞれの料金相場を見ていきましょう。
1.一般粉骨
最も基本的な粉骨方法で、専用の機械を使って遺骨を粉末状にする方法です。
費用の相場は、骨壺サイズが3寸の場合で30,000円程度となっています。骨壺のサイズが大きい場合は、追加料金がかかるケースもあるため、事前に業者へ見積もりを依頼しておくと安心です。
コストを抑えながら、確実に粉骨したい方におすすめの方法といえるでしょう。
2.手作業粉骨
手作業粉骨とは、刃物などを使わず、人の手で丁寧に遺骨を粉砕する方法です。業者によっては対応していない場合もありますが、より丁寧な対応を希望される方に選ばれています。
費用の目安は、3寸の骨壺で50,000円程度。真空包装や粉骨証明書の発行といったオプションサービスが付く場合が多く、サービス内容によって価格に幅が出るのが特徴です。
3.自然葬用粉骨
海洋散骨や樹木葬など、自然に還す供養を行う際に必要となる粉骨方法です。自然葬では、ご遺骨を2mm以下の非常に細かい粉末状にすることが推奨されており、より高度な加工技術が求められます。
この方法を取り扱っている業者は限られていますが、例えば「とこしえ」では、16,500円から自然葬用の粉骨サービスを提供しています。
自然葬には地域や自治体ごとにルールやガイドラインがあるため、専門業者に相談しながら進めるとよいでしょう。
粉骨後のご遺骨の供養方法
粉骨を終えたご遺骨は、目的に応じてさまざまな方法で供養することができます。
ここでは、代表的な供養の選択肢を3つご紹介します。
1.納骨
もっとも一般的な供養方法である「納骨」は、お墓への埋葬や納骨堂への収蔵を指します。
近年では、室内型の自動搬送式納骨堂や、自然と共生する樹木葬など、宗教観やライフスタイルに合わせた多様なスタイルが登場しています。
2.自然葬
近年、自然に還るという概念から自然葬を選ぶ方が増えてきました。ご遺骨を海や山などの自然の中に撒く散骨や、地中に納めたご遺骨の上に樹木を植えて墓標とする樹木葬などが代表例です。
故人様の生前の想いやご家族の意向を反映しやすい供養方法として、多くの方に選ばれています。
3.手元供養
粉骨したご遺骨の一部を手元に残し、自宅で供養する方法です。
ミニ骨壷のほか、フォトフレーム型の容器やペンダント・ブレスレットなどのアクセサリーにご遺骨を納め、身近な場所で故人様を感じながら過ごすことができます。
形式にとらわれない、現代的で温かみのある供養として注目されています。
自然葬を行う際の注意点
自然葬を行う際には、ご遺骨を2mm以下のきめ細かな粉末状にしなければなりません。
これは法律で義務づけられているわけではありませんが、ご遺骨が大きな状態で撒かれてしまうと、第三者から事件性を疑われるおそれがあるため、現在では事実上のルールとして定着しています。
また、散骨を行う地域や自治体によっては、ガイドラインや規制が設けられていることがあります。ご自身で自然葬を行う際は、必ず事前に確認し適切な方法で行うようにしましょう。
ご遺骨の粉骨から供養まで「とこしえ」におまかせ
とこしえでは、ご遺骨の粉骨からその後の供養まで、ご遺族の思いに寄り添ったサービスを心を込めて提供しています。
海洋散骨や樹木葬、手元供養など、現代の多様な供養スタイルに対応しており、どのようなご相談にも柔軟にお応えいたします。
ご遺骨の粉骨や供養についてお困りの際は、ぜひお気軽にとこしえまでご相談ください。